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☆★ なるほど納得講座 ★☆

第3回目
真珠(パール)のお話


3月・4月は年度の区切りで行事が多い時期でもあります。
特に、お子さんを持つ親御さんたちには出費のかさむ時期ではないでしょうか?
卒業式や入学式にフォーマルな装いでお出かけするとき、アクセサリーとしてはパールが一番でしょう!

最近では、真珠(パール)は若い方にも人気で、カジュアルな服装にパールを合わせるのもなかなかオシャレ。
特に春先はさわやかな印象を与えてくれます。

そこで、今回の特集は真珠についてまとめてみました。(資料:真珠総合研究所)



■■真珠の歴史■■

真珠は、約五千年前には当時のペルシャ湾や紅海で採取された貝の中から発見されていたと云われています。
我が国においても万葉集の中にも「白金も黄金も玉も何かせむ」と詠まれた「玉」は真珠の事であると言われ、正倉院の御物の中にも真珠を装飾したものがあります。
国産の真珠は、三重県の英虞(アゴ)湾や愛媛県の宇和海域に多く生息していたあこや貝から採取されました。
昔の真珠というのは貝から採り出される天然真珠ばかりでしたが、天然でなく人の手により生きた貝を使って造ることを二十世紀の始めに御木本幸吉の着想により研究が進められ、1907年に養殖真珠に成功しました。
しかし、1912年頃、パリとロンドンで日本の養殖真珠は真珠と称することは出来ないという裁判が起こり、日本の養殖真珠進出に待ったをかけました。
その後、ジェムソン博士、ブートン博士をはじめ、英国・フランスの学者等の証言によりその組成や諸条件が何ら天然真珠に異ならずと立証され、1919年には商品として世に出されました。
こうして真珠は日本の特産品として世界各国に迎えられることになりました。



■■真珠の種類■■

一口に真珠(パール)といっても、いろんな種類があります。
まずは真珠の種類を簡単にまとめました。


■アコヤ真珠■

天然真珠は古事記や日本書紀の時代から「阿加陀麻」として知られ、永く美を求める人々の心を引きつけてきました。明治26年、御木本幸吉による半形真珠の発明以後、真円真珠の発明や養殖事業の拡大により日本は世界の真珠の交易地となりました。
アコヤ真珠では、ホワイトピンク系、ホワイトグリーン系からクリーム系、ゴールド系といった色が中心となります。
形は貝の性格上きめの細かい結晶を分泌するため、真珠も綺麗に丸くなるので真円の真珠の方が多く採れますが、少し変形したものやバロック真珠といわれる形の変わったものも楽しめるでしょう。まれに真珠がふたつくっついた双子形の真珠ができることもあります。


■シロチョウ(白蝶)真珠■

シロチョウ真珠は南洋真珠とも呼ばれ、貝殻も大きく30cm以上になる場合もあります。真珠もアコヤガイ真珠よりも大粒なものが採れます(8〜17mm)。巻きの厚い真珠層がかもし出す高貴な印象が時代を越えて愛されている理由です。
ホワイト、シルバー系クリーム、ゴールド系に分かれます。これはシロチョウ貝にはシルバーリップと呼ばれる貝殻内面の周縁部がシルバーなものとゴールドリップと呼ばれるゴールドのものあるからで、シルバーリップの貝は主にオーストラリア近海に多く棲息し、ゴールドリップの貝はインドネシアやミャンマーの方に多く棲息しています。また、アコヤ真珠のようにブルー系やグレー系のものもあります。
水温の高い海域にいるせいか成長も早く真珠層も多く分泌します。その為、形もアコヤガイ程真円は多くなく楕円やドロップ型などのバロック真珠が多くなります。また、貝殻が丸く盛り上がった部分を使った半形真珠も作られています。


■クロチョウ(黒蝶)真珠■

クロチョウ真珠はその色の多様性が特徴です。一般的に高品質なものは黒色系の真珠です。生産量のほとんどは南太平洋諸島の国々で採取され主にポリネシアのタヒチ(正式には仏領ポリネシアという)の島々で多く生産されています。
最上級の色と称せられるものにピーコックグリーンというものがあります。黒の中にクジャクの羽のように虹色に光るグリーンが出ているものであり、美しい色として評価されています。その他にも濃い色あいのグリーン系、レッド系、ブラック系や淡い色合いのグレー系、ブラウン系、クリーム系など多彩な色があります。
真珠貝の中では活動的なようで、貝の中で真珠が回転してバロックやサークルといった形のものが多くなります。


■淡水真珠■

一口に淡水真珠と言いますが、イケチョウガイ産、ヒレイケチョウガイ産、カラスガイ産などがあり区別も難しく総称として淡水真珠と呼ばれています。 現在では中国でのヒレイケチョウガイ産のものが主流ですが、もともとは日本で養殖が始められました。日本のものはイケチョウガイ産でヒレイケチョウガイのものよりきめが細かく品質もよかったのですが、養殖場である琵琶湖や霞ヶ浦の水質悪化により事業として難しくなり、現在はほとんどおこなわれておりません。

もともと真珠を作る細胞だけを挿入して作る無核真珠が主流であるため、丸いだけでなく十字やドラゴンといったかわった形のものもあります。また、淡水真珠ではオレンジ色や紫色の真珠が採れることも特徴です。


■マベ真珠■

マベ貝は熱帯、亜熱帯海域、日本では奄美大島以南の琉球列島に棲息します。この貝は潮流の速い所に棲息するので真円真珠養殖が難しく、以前より半形真珠を作る貝として利用されていました。マベ貝から採れる半形真珠は光沢も良かったので量も多く、マベ真珠は半形真珠の代名詞となっていますが、他の真珠貝でも半形真珠は作られています。
マベ貝の真珠層はきめが細かく、この貝から採れる真珠は真円、半形共に素晴らしい光沢があります。色はシャンパンクリームが主流で、半形ではグリーン系、ホワイト系などがあります。
真円は少なく、やはり代表的なものは半形真珠といえます。半形真珠も丸だけでなく、ドロップやハート型またスリークォーターという半形よりも少し球に近いものもあります。




■■真珠の品質■■
真珠は、色・てり・巻き・形・傷で品質が決まります。
品質が同じ場合、大きさで価格が大きく変わります。

▼色▼
アコヤ真珠


南洋真珠

比較的ピンクは人気がありますが、好みは人それぞれですので、色によって大きく品質が変わるけではありません。

▼巻き▼
真珠層の厚さは養殖期間が長ければ長いほど原則的に厚くなります。
もちろん層の厚い真珠の方が優良品に出来上がります。

▼てり(光沢)▼
真珠の光沢は「てり」といわれ、表面的なつるつる感だけでなく内部が透けて見えるような透明感、更には干渉色といわれる部分が強く出ている重厚感などを合わせたもので、それこそ真珠にしか表現できないものです。アコヤ真珠やマベ真珠では、結晶のきめの細かさから虹色の光沢感があり、またシロチョウ、クロチョウでは銀面のような重厚感があるものが高品質です。

▼形▼
アコヤ真珠


南洋真珠
真珠は貝の内部で大きくなっていく間に有機物という不純物を含む場合があります。
このような真珠はその部分が少し厚くなるので形もゆがんで変形やときにはバロック真珠ができ上がります。
バロックやケシも個性的ということで、若い人の間ではアクセサリーとして人気があったりします。

▼傷▼
生き物が作るため、傷は当然、自然物としてできます。(無きずはごくわずかです)
真珠の傷は様々で、たとえば、突起やすじの入ったようなものがあったり、えくぼやサークルといって環状に大きく溝のできるものもあります。
これらは貝の中で真珠が形成されるときに色々な要因でできるのものです。
球体ですからどの位置にあるかによっても価値が変わります。


▼大きさ▼
※アコヤ真珠の例
母貝によって採れる真珠のサイズが違います。
▼平均的なサイズ▼
>アコヤ真珠 約6mm〜9mm
>シロチョウ真珠 約8mm〜15mm
>クロチョウ真珠 約8mm〜15mm
>淡水真珠 約3mm〜6mm
>マベ真珠 約10mm〜15mm (半形の場合)
品質が同じものの場合であればサイズが大きいほど価値も高くなります。
しかし、稀少性の高いサイズの場合、たとえば生産量の少ないアコヤ真珠の10mmとシロチョウ真珠の10mmではアコヤ真珠の方が価値が高くなります。



■■真珠のお手入れ■■
最後に真珠のお手入れ方法と保存方法について説明いたします。
真珠はとてもデリケートなので、使用後のお手入れと適切な保存方法が不可欠です。

■気をつけるポイント■
■ 汗 ■
汗に含まれる乳酸、ピルビン酸などの酸性成分は真珠鉱物を侵食し、光沢を失わせます。
ネックレスの糸も汗の成分によって劣化します。
使用後、汗や化粧品などはきれいに拭き取りましょう。
また、ネックレスの糸のゆるみにも注意しましょう。

■ 酸 ■
果物や酢物などの汁に含まれる有機酸が真珠に飛び散って気づかないでいると、光沢が急速に悪くなります。果物や酢物の汁がつかないよう充分注意しましょう。

■水分■
指輪をつけたままの炊事、洗濯、入浴は真珠の光沢を失わせます。
真珠は水に濡れているだけでも侵食され、新しい水ほど浸食が早いことがわかっています。
あらかじめ濡れるとわかっているときは指輪は外すよう心がけましょう。

■ 光 ■
真珠の色は他の鉱物同様光の吸収屈折で現れる色と、内部に含まれる色素から来る色とが重なり複雑な色をかもしだしています。
この色素の方は天然のものなので光によって色が褪せる場合があります。
また、含まれているたんぱく質は長時間光が当たっていると日焼けのような状態で少しずつ黄ばんできます。
使用しないときはケースにしまっておいたほうがよいでしょう。
また、真夏の浜辺のような極端に日差しの強いところでの使用には注意しましょう。

■ 熱 ■
アコヤガイ真珠は60℃以下の温湯なら耐えられます。それ以上の温度ではさまざまな変調をきたします。
ダイヤモンドをはじめ宝石類は火災にあったら、変色、亀裂が生じ真珠は炭化してしまします。

■乾燥■
真珠は重量の約2%の水分を含んでいますが、浜揚げされてから年月の経過とともに水分を徐々に失い、それに伴って光沢が悪くなります。
真珠の乾燥速度は空気中の蒸気圧と温度との関係で決まるので、極端に乾燥する場所に置きっぱなしたりしないようにしましょう。


■保存方法■
宝石箱やネックレスケースに入れた保管をおすすめします。
硬い宝石や貴金属と一緒に保管しないようにしましょう。
キズがつくことがあります。
真珠製品を身につけたまま直接香水等を、ふりかけないよう気をつけましょう。
使用後は真珠表面についた汗や化粧品などをきれいに拭き取りましょう。
ネックレス等では糸のゆるみ・劣化に注意します。  
気がついた時は専門店に相談してください。
真珠が汚れたとき、応急処置としてできることは薄めた中性洗剤で洗う程度です。



今回は真珠(パール)について大まかに説明いたしました。
多少は真珠を選ぶ上での参考になりましたか?
真珠を購入する際、選ぶにしても、購入後のお手入れ方法などにしても、全く知らないよりは多少でも知識を得ておいた方が良いと思います。
品質に関しては数をたくさん見ることが目利きになる一番の近道でしょう。
傷は見ればすぐにわかります。
色については好みに応じて選択するのが良いでしょう。
形に関しても好みによりけりですので、ご自身で気に入ったものを選ぶと良いと思います。
選び方によっては価格の安いものでも十分に納得できる買い物ができると思います。
ご購入の際は是非じっくりと選定してみてください。

では今回はこの辺で。



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